「教えてドクター」 掲載記事

Q:40代に入ってから、夜の寝つきが悪くなったり、いつも以上にイライラしたり、体がほてるなどの症状が続き、調べると更年期障害かも、と思うようになりました。更年期障害は治療できるものなのでしょうか?

A:いろいろな症状が重なり、たいへんでしょう。更年期障害は,以前は,我慢するだけの病気と考えられてきましたが,最近では,たいへん有効な治療が開発され,毎日を心地よく生活できるようになりました。命に関わる病気がなく、長生きできる事が医療にとっては、まず、第1の目的ですが,毎日の生活が快適に楽しく過ごせる事も重要です。更年期障害は,女性ホルモンの低下やストレス、環境などが原因と考えられています。更年期障害の診断には、まず、内科的な病気を除外します。そして、更年期障害の症状を調べる問診票(クッパーマンスコア表)に答えていただき,婦人科的な病気を子宮がん検診や超音波検査にて調べます。更に、血液検査で,卵巣からの女性ホルモンのレベルを測定する事で診断できます。治療法としては,女性ホルモンを補うホルモン補充療法(HRTといいます)、漢方薬やプラセンタ療法などがあります。ぜひ、婦人科や内科を総合的に診療している医師に相談する事をお勧めします。

Q:子宮頸がんワクチンの接種を高校生の娘にすべきか迷っています。最近は副反応によるニュースも見聞きするので、打たずに定期検診を受けさせる方法でいいかもと、思うのですが、打った方がいいのでしょうか。

A:お子様への接種は,さぞかし迷われるでしょうね。医療には、有益性と不利益(有害事象)が存在します。特に、ワクチンのような、予防医療は,様々な見解があります。子宮頸がんワクチンは,2006年に、米国で認可され,現在までに、全世界で4000万回の接種が行われています。日本国内でも、2009年に認可され、女子中高校生に、無料接種が開始されました。現在までに、約300万人の方が受けています。しかし、その内、重篤な有害事象が、106人に発生しています。そのため、現在、接種勧奨は中止されています。厚生労働省も、拠点施設にて対策を行っていますが、未だ、原因や因果関係ははっきりしません。しかし、このワクチンの、子宮頸がん予防効果はWHO(世界保険機構)でも、認められ,日本の対応については、「日本女性を子宮頸がん発生の危険にさらしている」として、接種推奨を勧告しています。現在,日本産婦人科学会や小児科学会も国に、接種勧奨を求めています。こうした複雑な状況がありますので,お子様や婦人科の先生と充分話し合って決められたらと思います。

Q:生理2〜3日前から生理開始したばかりの頃まで、独特のにおいがして気になります。他の人にも気づかれていないかいつも不安なのですが、においはあるものなのでしょうか。何か病気の可能性はありますか。

A:においについては、他の人へのエチケットの問題もあり、気になりますよね。おりものは、外陰部で感じる分泌物(粘液や液体)のことで、子宮や膣から発生します。正常な状態でも、感じます。排卵日や生理前には、多いと感じる方もいます。正常なおりものは,無色透明から白色で少し甘酸っぱいにおいがしますが,気になるほどではありません。これは,膣内をいろいろな感染症から守るラクトバチルス菌が産生します。話題になっている、腸内フローラのように、膣内フローラと言ってもよいと思います。おりもののにおいを起こす原因としては,第一に、膣の病気です。カンジダ(カビの一種)、トリコモナス(原虫の一種)そして細菌(特に多いのはガルドネラ菌)などによる膣炎です。第2に、子宮頸がん、子宮体がんそして子宮頸管炎(子宮膣部びらんといって、ただれが起こる状態)など子宮の疾患があります。また、女性ホルモンのアンバランス(生理不順)によっても起こります。いずれにしても,診察と検査をお受けになれば、はっきりしますので、婦人科を受診されることをお勧めします。

Q:生理前に胸の張りと肌荒れ、生理初日〜2日目に腹部の鈍痛、足のだるさとむくみ、眠気、ときどき情緒不安定になります。生理痛は困るほどではないのですが、こういった諸症状でピルを服用しようか、必要ないのか迷っています。

A:生理前、毎月、不快な様々な症状があり、お辛いでしょう。生理開始後、2週間くらいして排卵(卵巣から卵子が出る現象)があり、その後、卵巣から黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されます。このプロゲステロンが、胸の張り、肌荒れ、むくみや精神症状などを起こします。この状態を、月経前症候群(PMS)と呼んでいます。PMSは、生理痛とともに、ストレスや女性ホルモンのアンバランスな状態により悪化すると考えられています。原因を除いていくことももちろん大切ですが、我慢して、症状を放置しておくと更に悪化します。ピル(低用量)は、服用中の排卵を抑制することで、こうした症状を改善します。更に、生理痛を抑え、生理の量も減らしてくれます。また、服用終了後は、排卵が回復し、むしろ、妊娠しやすい状態になり、将来的にもプラスに働きます。服用については、いくつかの注意点がありますので、ピルを扱っている専門医にご相談下さい。

Q:中学から大学生の今もスポーツを続けています。高校も大学もスポーツで進学しました。生理は数回しか来たことがありません。また最近、毎日、不正出血があります。このまま放っておいてよいのでしょうか。

A:スポーツは、健康増進に有効です。しかし、体に問題を起こすことがあります。その1つが、女性アスリートの生理不順です。過度な練習等で、体重減少を起こし、脳内の視床下部や下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンが低下してしまい、生理不順を起こします。また、体脂肪率が低下し、脂肪組織からの女性ホルモンが少なくなり、更に、生理不順となります。生理不順も不正出血も、女性ホルモンの異常により起こりますが、他の婦人科疾患の症状であることもありますから、婦人科の受診をお勧めします。婦人科では、お腹にあてるだけの超音波検査や血液検査で多くの病気がわかります。その結果、女性ホルモンの異常と診断された場合には、将来の妊娠や出産に影響がないように。生理を整えることが必要です。その際、低用量ピルが最適です。これは、オリンピックをはじめとして世界中の女性アスリートが服用しており、厳しいドーピング検査にも抵触しません。生理を整えることが記録の向上にもつながると報告されています。

Q:生理中にタンポンを使用していますが、友人に、排出すべき血をタンポンによって中で留めておくことになるから体に良くないと言われましたが、本当でしょうか。その他なにか気をつけるべきことはありますか。

A:お友達のアドバイス、心配ですね。生理の量の多い方は、ナプキンよりも、タンポンを使用することで快適に過ごすことができます。また、生理中でも水泳や運動も可能です。しかし、使用方法を誤ると、稀に、トキシックショック症候群(TTS)を起こすことがあります。これは、膣の中の黄色ブドウ球菌がタンポンに吸収され、そこから毒素が発生して起こる病気です。急な発熱、吐き気、発疹などインフルエンザに似た症状を起こします。予防法としては、タンポンの挿入時と取り出す時は手を洗う、説明書の記載通り定期的に交換する、一度に2つ以上挿入しないなどです。極めて稀な病気ですから、あまり心配する必要はありません。しかし、生理の量が多いために、タンポンを使用している場合は、その原因がないか、また、病気がなくても低用量ピルなどで生理の量が減り、快適に過ごせますから、ぜひ、婦人科を受診することをお勧めします。

Q:不妊治療を始めるにあたって、不妊の原因は女性だけでなく男性にもあると聞きましたが、主人があまり積極的でなさそうです。働きながら病院へ行くのも大変そうなのですが、私の体質改善や治療だけではやはり妊娠は難しいものでしょうか。

A:妊娠を切実に希望されている様子をお察しいたします。不妊症とは、1年以上、避妊しないにもかかわらず妊娠しない状態を言います。また、不妊の原因として、女性側には、排卵が起こらない、卵管がつまっているなどがあり、男性側には、精子の数が少ないことや動きが悪いなどがあります。最近、男性側の原因が増加しています。ですから、最初からご主人の協力が得られるのがベストですが、ご夫婦あってのお子さんだと思います。嫌がるご主人を無理矢理クリニックへ連れて行って、ご夫婦仲が悪くなっては、元も子もありません。まず、奥様だけでも受診なさって、お話を聞いて、検査や必要な治療を受けられてはいかがですか。その際、お仕事の都合に合わせられるクリニックがお勧めです。ご主人との愛の結晶であるお子様を授かりたいという気持ちで、一生懸命クリニックへ通院される姿を見て、ご主人も何かできることはないかとおっしゃると思います。

Q:中学生の娘に子宮頸がんワクチンを考えていますが、場合によっては重い副作用が出ることがある聞き不安です。接種させた方がいいでしょうか。

A:子宮頸がんワクチンは、国の補助対象となり接種を勧められています。一方、最近、副作用が報道されるようになりました。およそ5万円のワクチンが、非常に安価か無料で受けられる訳ですから、接種は迷われるでしょう。しかし、他のワクチンにも、副作用は報告されており、国は万が一の場合、保障制度を設けています。そして、オーストラリアなど海外では、このワクチンはほぼ義務づけられています。また、現在の医学では、がんを予防するワクチンは他にはありません。ワクチンと言えば、風疹の大流行も風疹ワクチンを接種していないことによると考えられています。子宮頸がんワクチンが、広まれば子宮頸がんが少なくなることが予測されていますが、もし、お子様が子宮頸がんに罹患するようなことがあれば、不幸なことかもしれません。副作用について不安があれば、担当の先生に充分説明していただき、納得された上で接種されるのはいかがでしょうか。

Q:38歳女性で、今年結婚します。結婚後子どもがほしいのですが、もともと生理不順で妊娠しにくいと言われ、年齢的にも時間がないので早く治療して出産したいと思うのですが、やはり1~2年様子を見てからでないと治療はしてもらえませんか。

A:ご結婚、おめでとうございます。不妊症の定義は、避妊をしないで、以前は3年、現在は1年以上妊娠しない状態を言います。しかし、最近の研究で、35歳以上の方については、もちろん避妊しないで、妊娠を希望して病院を受診までの期間が短いほど、その後の妊娠率が高いと言われています。以前、妊娠しにくいことが指摘されていらっしゃるとのことですので、ぜひ、一度、産婦人科を受診されると良いと思います。受診の際、不妊症専門の施設より、不妊症も扱っている一般施設がよいと思います。その理由は、不妊症の検査は、基本的に男性側の検査もあり、ご主人になられる方の協力も必要です。その際に、結婚後直ちに、ご主人も専門的な検査を受けられるより、まず、ご本人の検査を中心に進めていただく方が宜しいかと思います。一日も早い、朗報を祈っております。

Q:先日妊娠が発覚しまして、ここ数日つわりと思われる吐き気、だるさ、めまいがあり、予想以上に症状がひどくて困っています。先生には今だけの症状だからと言われますが、1日も動けない時もあり困っています。対処法などありますか。

A:ご懐妊、お喜びと思いますが、つわりが強く大変でしょう。つわりは、絨毛から分泌されるHCG(人絨毛性ゴナドトロピン)によって生じます。よって、つわりは赤ちゃんが元気である証拠でもあり、妊娠12週くらいで治まります。しかし、異常なつわりは、治療の対象となります。その診断には、体重減少と尿のケトン体(体内タンパク質の崩壊を示す)などを参考に診断します。軽症には、空腹はつわりを強めると言われていますので、少しずつでもよいので、胃に食べ物を入れることが重要です。そのためには、夜食を摂るのも一方です。また、経口のゼリーやドリンクタイプの栄養剤もありますが有効です。それでも、軽快しない場合は、病院で静脈注射や点滴を受ける場合もあります。また、入院してそれらの治療を行うこともあります。いずれにしても、主治医の先生と充分相談してください。

Q:不妊治療を7年間続け、今40歳です。今の病院でできる治療はほぼし尽くしました。不安で毎日不眠気味です。年齢の事もあり、ここで諦めるべきか、転院するべきか迷っています。

A:不妊治療にもかかわらず、結果が出ず、お気持ちが落ち込んでいらっしゃるとお察し致します。不妊治療は、目覚ましい進歩を遂げ、その恩恵を受けていらっしゃる方も多くいます。しかし、最近、卵子のエイジング(老化)が問題となっています。つまり、男性の精子は、毎日作られる一方で、女性の卵子は、生まれた時が最大の数で、年齢とともに減少し、更に、その卵子は、老化すると言われています。そのため、精子との受精や受精後の子宮内への着床も、しにくくなるのです。ただし、このエイジングは、個人差があり、何歳でどの程度進んでいるのかなど、はっきりとは解明されていません。また、卵子のエイジングを治療する試みも一部の医療機関で行われています。お歳が40歳と言う事ですので、主治医の先生と相談して、今後の治療方針をお聞きした上で、更に上位の治療を考えられるのも一考かと思います。

Q:ピルの服用を検討していますが、生理痛軽減のために飲むピルは、避妊用のピルと同じになりますか。また、服用すると太るなどの噂も聞きますが本当でしょうか。メリット・デメリットを教えてください。

A:生理痛、お困りのこととお察し申し上げます。生理痛には、鎮痛薬が使用されますが、次第に効かなくなったり、胃に負担をかけたりします。そのような方にはピルが最適です。ピルは正確には低用量ピル(OC oral contraceptives)と言います。海外で、約9000万人が服用し、日本でも1999年から発売されています。避妊の他に、生理痛の軽減など他の良い作用(副効用)があります。OCは、約10種類あり健康保険の対象にはなりませんが、生理痛に関しては、対象になるものも現在ではあります。メリットは、月経が順調になり、月経量も少なく、月経痛もほとんどなくなります。また、月経時期を自分で調節することも可能です。デメリットは、毎日服用することが少し面倒なくらいで、身体上、ほとんどありません。病院に行って、問診と血圧、体重測定で処方してもらえますが、OCの情報を持った医療機関でいただくのがよいと思います。

Q:中学1年生、高校3年生の娘がいます。子宮頸がんワクチンの接種を考えていますが、高校3年生ではもう遅いでしょうか。学校もあるので、効果や接種スケジュール等も教えてください。

A:これは、子宮頸がんを起こす高リスク型人乳頭腫ウイルス(以下、HPV)に対するワクチン(サーバリックス)です。HPVの型は多数ありますが、最も多くの子宮頸がんを起こす16、18型に対するワクチンです。効果は、接種後9年間の海外データで、100%近い予防効果が実証され、抗体予測値では、約20年間は維持するとされています。接種スケジュールは、医師の問診後、初回を上腕に筋肉注射、その1、6ヶ月後の3回接種します。現在までに報告された副作用としては、接種部位の痛みや腫れが多く、接種直後の痛みに失神を起こす方が報道されましたが、重篤なものはありません。接種年齢は、HPV感染が考えられる前(初めての性交)の接種が望ましいですが、感染後、多くは、自然にウイルスが消失し、再び感染するので、再感染予防で何歳でも接種は可能です。費用は、計3回で約5万円と高価ですが、公費負担もありますから、お住まいの自治体に問い合わせていただくとよいでしょう。

Q:2年前、逆子だった1人目を帝王切開で出産し、今2人目を妊娠して2ヶ月ですが、できれば普通出産をしたいのですが可能でしょうか。また、逆子を防ぐ方法などありますか。

A:お子様、待ち遠しいですね。帝王切開は子宮筋に切開を入れ、一般には妊娠中に切開部の変化はないと考えられていますが、陣痛が始まり子宮筋に張力がかかると、そこが引き延ばされて、裂けてしまうことがあります。これを、子宮破裂と言い、母子共に非常に危険となります。この100%予知は、現代の医学でも不可能です。子宮破裂の確率は、帝王切開未経験の方は、約1万人に1人で、経験者は、約100人に1人と言われています。これが、多いか少ないかは、医療機関や医師の考え方で千差万別です。現在の日本では、予定帝王切開が多いのが現状です。分娩方法は、先生と十分ご相談ください。また、逆子については、確実に防ぐ方法はありませんが、妊婦健診をお受けになって赤ちゃんの位置を先生に診ていただき、ご指導いただくことが、最良の方法と思います。

Q:一人目の子どもができてしばらく経ち、二人目が欲しいのですがなかなかできません。一人目は問題なく妊娠したのですが、この場合も不妊症の疑いはあるのでしょうか。

A:お子様の育児を楽しまれていらっしゃるのでしょう。待望の妊娠、待ち遠しいでしょうね。不妊症の定義は、避妊を行っていないにもかかわらず、1年以上妊娠に至らない場合を言い、お一人目からを原発性不妊症、この方のように、お二人目以降の場合を、続発性不妊症と言います。続発性不妊症も決して少なくありません。どちらも、女性側の原因として、妊娠に必要な卵が排卵しない(排卵障害)、精子や受精卵が通過する卵管がつまっている(卵管閉塞)などがあり、男性側の原因として、精子の数が少ない、その動きが悪いなどがあります。原発性も続発性も割合は異なるものの、いずれもが原因となり得ます。不妊症を扱っている施設を受診し、検査とその治療をお受けになれば、待望のお子様を妊娠することができます。受診の際に、婦人体温計にて、基礎体温をつけて持参されると診察もスムーズになると思います。

Q:生理痛がひどく、診てもらうと子宮内膜症と診断されました。ちょうど結婚2年経っても妊娠しないので不妊治療を始めようかと悩んでいた矢先のことでした。早く子どもが欲しいのですが、子宮内膜症の治療と不妊治療は同時に行うことはできますか。

A:子宮内膜症とのこと、さぞかしご心配でしょうね。子宮内膜症とは、月経の時に出血とともに剥がれてくる子宮内膜が卵管を通って逆流し、体のいろいろなところにまぎれ込む病気です。そのため、月経の時にそこの子宮内膜が出血し、腫れて痛み(生理痛)を起こします。また、癒着などにより卵管が閉塞したりして不妊症の原因となります。子宮内膜症の治療には、月経を止め子宮内膜を萎縮させる偽閉経療法、低用量ピルで月経は起きるが排卵を抑制する方法と腹腔鏡を使って外科的に治療する方法などがあります。しかし、最も自然で有効な方法が、妊娠することなのです。よって、不妊治療を進めながら子宮内膜症をコントロールして行くことも可能です。主治医の先生とよくご相談の上、待望の妊娠をして、子宮内膜症も良くなることをお祈りします。

Q:先日妊娠がわかり、いろいろ調べてみたのですが妊娠中毒症という病気があることを知りました。どのような病気で、事前に防ぐことはできますか。

A:御妊娠おめでとうございます。楽しみにされているとお察しいたします。妊娠中毒症とは、妊娠時に浮腫(むくみ)、蛋白尿、高血圧を伴う病気です。しかし、2005年から妊娠高血圧症候群(PIH)となりました。浮腫は除外され、PIHには、妊娠高血圧(高血圧のみ)、妊娠高血圧腎症(高血圧と蛋白尿)、子癇(けいれん)があります。PIHは、胎児・胎盤機能不全、子宮内胎児発育遅延、早産、胎盤早期剥離、急性腎不全など母児生命を危うくする合併症を起こしえます。PIHの原因は、確定的にはわかっていませんので、確実な予防法はないのが現状です。安静や食事の注意は重要で、以前より塩分制限が推奨されています。しかし、過度の塩分制限は血液の水分量を減らしてしまい、かえって害があるとも言われています。現在、妊婦健診が公費負担の対象ですので、必ず健診を受けていただき、担当の先生に充分診ていただくことが、最大の予防法と考えます。

Q:35歳の主婦。最近子宮がんが増えていると聞きます。検査をした方がいいかと思うのですが、どのように検査しますか。また、検査以外に予防法はありますか。

A:子宮がんには、子宮の入り口の子宮頸がんと奥の子宮体がんがあります。20から30代の女性に増えているのが、子宮頸がんです。子宮頸がんの検査には、細胞を採取する細胞診があり、それを顕微鏡で検査技師と専門医(細胞診専門医)が診断します。その結果、精密検査が必要な場合には、拡大して観察するコルポスコピーと組織を取る病理検査を行います。細胞診は痛みもなく、短時間で終わります。また、最近、ドイツのハウゼン教授はヒトパピローマウイルス(HPV)が、子宮頸がんの原因であることを発見し、一昨年のノーベル医学・生理学賞を受賞しました。HPVは検査可能で、昨年12月より、HPVの感染を予防するワクチンが日本でも接種できるようになりました。このワクチンは、既に、多くの国で使用され、高い有効性が確認されています。HPV検査やワクチンは自費ですので、検査の可否や料金については医療機関にお問い合わせください。

Q:結婚して半年になる28歳女性です。生理痛がひどくて産婦人科を受診すると、子宮内膜症を言われました。妊娠しにくいかもと言われましたが、どうすればよいでしょうか。

A:子宮内膜症と言われ、さぞかしご心配でしょう。子宮内膜症とは、生理の時に出血とともにはがれる子宮内膜が、卵管を逆流しておなかの中に入り込んで、いろいろな場所に紛れ込んでしまう病気です。そのため、生理の時にその場所も出血するため、痛みを起こし、かつ癒着などを起こし、不妊症になる場合があります。しかし、必ず、治療をするとは限りません。痛み止めが無効、子宮や卵巣が大きく腫れている、希望しても妊娠に至らないなどの場合には治療が必要となります。治療法は、年齢、妊娠希望の有無、子宮内膜症の程度などにより決まります。最近では、多くの女性に利用されている低用量ピル(OCと言います)で直していく方法や生理を止めて直す方法(偽閉経療法)や、腹腔鏡を使って手術を行って治療する方法などがあります。経過を見ていくにしても治療を選ぶにしても担当の先生とよくご相談ください。

Q:高校生の娘が生理不順で、そのタイミングや期間もバラバラなようです。将来のことを考えると病院に行った方がいいと思いますが、本人は診察への抵抗もあるようです。このままで大丈夫でしょうか。

A:高校生活は、スポーツや勉学に打ち込める充実した時期です。生理不順がさぞかし重荷となっていると思います。以前は、高校生くらいの年齢ではしょうがないと放置していたことが多かったのですが、最近では、月経不順を長期間放置していると、排卵障害による不妊症につながることが危惧されています。ぜひ、産婦人科を受診してみましょう。お一人で不安でしたら、お母さんも一緒に行ってあげましょう。その際、女性にとって苦手な内診がありますが、最近では、内診せずに、腹部超音波検査で、おなかの上から子宮や卵巣の病気が診断できます。また、血液検査にて女性ホルモンのレベルも測定できます。また、副作用がほとんどない低用量ピルを使って、月経痛を抑えながら、試験やスポーツ大会を外すように生理を調整してくださるところもあります。受診された施設の先生とよくご相談ください。